検索タグ:推理小説(1)
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東野圭吾の小説はいつも最後に泣かされてしまいます。タイトルからして何か危険な匂いがしましたが、最愛の娘を野獣のような少年たちによって凌辱され亡きものにされた父親の悲壮感と、復讐するに至る心の葛藤や、それにかかわった人たちの心の変化を見事にあらわしています。いつもながら表現が露骨で読んでいても圧倒されるし目も背けたくなるのですが読まずにいられない文章の構成が見事でした。主人公に特別魅力があるわけでもないのに、いや犯罪者なのに味方になってしまいそうな気持になれるほど感情移入出来る話でした。結末は言ってしまっては面白くありませんので書きませんが、これは読んだ人によって違うと思いますしややはり想像していたもしくは希望どおり結果にはなりませんでた。最後に本当の正義とは何か今の社会、これからの社会に生きていく読み手に強くメッセージを出して答えは各々出さなければならない時期に来ていると思い知らされる魂に訴えかけてきた小説でした。